2021年夏に開催された「東京2020オリンピック」でサーフィン会場となった千葉県一宮町の馬渕昌也町長が6月27日に城西国際大学千葉東金キャンパスで講演し、会場誘致から開催までを振り返った。

 講演会は「千葉県一宮町へ根付かせるオリンピックレガシー(東京五輪サーフィン競技開催地として)」をテーマに、城西国際大学の創立30周年記念事業の一環として開催された。観光学部を中心に約100名の学生が参加し、地域振興に取り組む首長の実体験に耳を傾けた。

 登壇した馬淵町長は初めに、一宮町の概要を説明。例年一定の流入人口がある「人口が減らない町」であることに触れ、「豊かな自然が溢れているだけでなく、東京への交通利便性の高さやサーフィンの好適地とされていることが、その要因です」と、町の魅力をアピールした。

 そして2021年のオリンピックについても言及。オリンピックのサーフィン会場誘致に成功し、町南端の釣ヶ崎海岸に1日6000人の来場者が予定されていたが、コロナ禍によって、思いもよらない無観客での開催に。馬淵町長は「会場付近ではさまざまな歓迎イベントを予定していましたが、全て中止になってしまいました。町民の皆さんにオリンピックを肌で感じてもらえなかったのが、本当に残念です」と胸の内を明かした。

 馬淵町長が思い描いていた盛り上がりとはいかず、町民の期待にも応えられない結果に終わったオリンピックだったが、それでも「会場に選ばれたことで、一宮町の知名度は飛躍的にアップしました。町にオリンピックの記憶を残しつつ、この経験を活かし、外房地域の発展に繋げていきます」と前向きに話を締め括った。

 学生からは「一宮町を訪れた観光客に、どのような交通手段を利用してもらうことを想定されていますか」などの質問が寄せられ、馬淵町長は「公共交通機関を主に利用してもらいたいですが、決して便利とは言えません。それを補うためにレンタサイクルの利用促進を考えています」と丁寧に答えていた。

参考:【城西国際大学】千葉県一宮町長が本学で講演 東京五輪サーフィン会場誘致を振り返る 

大学ジャーナルオンライン編集部

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