東北大学とNECは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による教育の変革を目指し、マイナンバーカードを活用した教育デジタルIDの実現に向けた実証実験を実施した。
政府は、デジタル社会の実現に向けた重点計画の中で、国立大学に対してマイナンバーカードの活用による事務効率化のモデル事業実施及び中期目標・中期計画への反映を定めている。こうした中、NECでは、教育に関するデータを安全・安心に利活用するため、マイナンバーカードを本人認証に利用した教育デジタルID構想(特許出願中)を企画・推進している。
一方、東北大学ではニューノーマル時代における新たな大学の姿を先導し、学生・教職員が今まで以上に学業や教育・研究活動に専念できる場を提供することを見据え、「オンライン事務化宣言」を行った。その実現のため、窓口フリー、印鑑フリー、働き場所フリーを掲げた「業務のDX」や、学部入試での成績通知システムの導入、対面授業とオンライン授業を効果的に併用した授業等の取り組みによる「教育のDX」を実施し、DXの推進による大学経営の変革を行っている。
併せて、「コネクテッドユニバーシティ戦略」では、主要施策のひとつである「大学経営の改革」で、データ活用による大学経営の高度化を掲げ、推進しており、将来的には先進的な学生サービスを共通IDでつなぎ、一人一人の行動や状況に沿う一貫したリアル体験を提供するデジタルな仕組みの実現を目指す。
今回両者の目的が一致したことで2022年5月、教育デジタルID構想の有効性検証のため、東北大学の職員を対象に実証実験を実施。実証実験では、教育デジタルIDと連携したデジタル学生証の発行、窓口における学生の本人確認の実証、教室における授業時の出席管理、顔認証による本人認証を行った。