神奈川大学宇宙ロケット部は自分たちの持つ「ハイブリッドロケットの高度日本記録」更新を狙い、2022年10月中旬に秋田県能代市で打ち上げを予定している。今回はガンダムオープンイノベーション※の一環として、使用済みプラスチック再生技術を持つ信州大学とともに、回収したガンプラの使用済みランナーを活用したハイブリッドロケット燃料の開発および打上げに挑戦する。

 神奈川大学宇宙ロケット部は、神奈川大学全学部の1~3年生によるサークル。航空宇宙構造研究室と合同で「ハイブリッドロケット」と呼ばれるロケットエンジンを用いた超小型ロケットの設計・開発を行っている。2021年9月、能代市で行ったハイブリッドロケット飛翔実験において高度約10.1kmの日本新記録を更新した。

 2022年3月にバンダイナムコグループが進める取組み「ガンダムオープンイノベーション」に採択され、今回、日本記録を更新し高度30kmを目指すだけでなく、ガンプラの使用済みランナー(パーツを外した後の枠)をハイブリッドロケットの燃料に活用する。燃料の開発は使用済みプラスチック再生技術を持つ信州大学が担当。新たな宇宙空間へのアクセスの手段開発促進とプラスチック問題解決寄与の両立を目指す。

 なお、神奈川大学宇宙ロケット部は現在クラウドファンディングサイトREADYFORにてハイブリットロケットの打ち上げ試験に関する費用を募っている。目標金額は600万円。支援は8月31日(水)23時まで受け付けている。

※「ガンダムオープンイノベーション」は、社会が抱える課題に対して、『機動戦士ガンダム』と未来に向けたアイデアや技術を掛け合わせることで、夢や希望の現実化を目指すサステナブル活動「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION(通称:GUDA)」の新しいプログラム。“宇宙世紀”を起点に、人類の革新や人類が望む未来社会を構想し、本気で実現に向けて挑むことのできるさまざまな分野のエキスパートやイノベーター、研究機関や先端企業などのパートナーとともに課題解決に挑んでいる。

参考:【神奈川大学】宇宙ロケット部 回収したガンプラの使用済みランナーを活用し日本記録に挑戦(PDF) 

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