学生数が入学定員の5割以下の学部を持つ大学に対し、学部の新設や定員増を認めないとする文部科学省告示の認可基準改正案がまとまり、パブリックコメントの募集に入った。18歳人口の減少を見据え、定員を大幅に満たさない大学への規制を初めて導入するもので、文科省は10月から施行する方針。

 文科省によると、規制案では設置した学部に1つでも入学定員の5割以下しか学生がいないところがあれば、規制が適用される。施行予定は10月1日だが、経過措置を設けて2024年3月末の学部新設、定員増の申請から適用とする。パブリックコメントは9月13日まで受け付けている。

 これまで学部新設や定員増の規制は大学の規模に応じ、定員を5~15%超えると適用されてきた。今回の規制は定員を大幅に満たさない大学に対し、規制を初めて導入する。18歳人口の減少から不人気の大学や学部の淘汰やむなしとする判断があるとみられる。

 18歳人口は1992年の205万人をピークに減少に転じ、2022年は112万人まで落ち込んだ。2032年には100万人の大台を割り、2040年に88万人まで減少すると予想されている。これに伴い、学生を確保できない大学では、経営状態や教育環境の悪化が大きな問題になるとみられている。

参考:【文部科学省】大学、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準の一部改正案に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について

大学ジャーナルオンライン編集部

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