2022年度の公立学校教員採用試験の採用倍率が過去最低と並ぶ3.7倍に下がったことが、文部科学省の調査で分かった。中でも小学校教員の採用倍率は2.5倍で過去最低を更新している。大量退職に伴う採用者増と既卒の受験者減が影響したとみられている。
文科省によると、67の都道府県および政令指定都市教育委員会、大阪府豊能地区教職員人事協議会の公立学校教員採用試験を合計した受験者総数は、前年度より7,876人少ない12万6,391人。採用者総数は前年度を793人下回る3万4,274人で、全体の採用倍率は前年度の3.8倍を下回って3.7倍となった。3.7倍は1991年度と並ぶ過去最低。採用倍率は19自治体で増加したが、42自治体で減少した。
試験区分別で見ると、小学校教員の採用倍率は前年度の2.6倍を下回る2.5倍。受験者数は4万636人で、新卒が前年度に比較して256人増えたが、既卒者は前年度を2,714人下回る大幅減になった。
中学校教員の採用倍率は前年度の4.4倍から増加して4.7倍。受験者数は4万2,587人で、新卒が1,196人増えたものの、既卒者が2,714人減っている。高校教員の採用倍率は5.4倍で、前年度の6.6倍から大きく下がった。受験者数は2万3,991人で、新卒は324人、既卒者は1,848人減少している。
採用倍率は2000年度以降、長期低落傾向が続いている。文科省は多様な知識や経験を加味した内容とするなど改善を促していく方針。