人々を笑わせ、考えさせる業績に贈られる2022年イグ・ノーベル賞の工学賞に千葉工業大学創造工学部の松崎元教授が選ばれた。円柱形の取っ手やつまみなどを片手で回す際、何本の指を使うかを調べた研究で、日本人研究者がイグ・ノーベル賞を受賞するのは16年連続。

 千葉工業大学によると、松崎教授は身の回りにある取っ手やつまみ、ドアノブなどを人々が無意識に操作しているが、この無意識の行為をグラフや数式に表すことを考えた。そこで、つまみを模した45本の直径が異なる木製の円柱を用意し、人々が指を何本使って回すかを動画撮影して分析した。

 その結果、円柱が太さを増すほど使う指の本数が増えることを突き止めたほか、円柱に触れる指の位置などを解明した。松崎教授は研究成果が取っ手やつまみのデザインに役立つとしている。

 授賞式は毎年9月に米ハーバード大学で開催されているが、今年はコロナ禍のためオンライン開催となった。松崎教授は「デジタル化が進む中、取っ手やつまみの研究は時代遅れかもしれないが、着眼点を評価してくれたのはうれしい」とのコメントを発表した。

 イグ・ノーベル賞は1991年の創設。一風変わった研究や想像力に富んだ業績を表彰し、科学や医学、技術に対する人々の関心を高めることを目的としている。

論文情報:【デザイン学研究】円柱形つまみの回転操作における指の使用状況について

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