電気通信大学と大末建設は、給排水設備などの配管や電気の配線のメンテナンスのため、ビルやマンションの地下に設けられる地下ピットを建設工事中に自動点検するヘビ型ロボットを開発した。今後は実証実験と改良を重ねて2023年度に大末建設の建築現場に導入するほか、地上階の施工支援型ロボットの開発も進める。
電気通信大学によると、ヘビ型ロボットは電気通信大学大学院情報理工学研究科の田中基康教授が作ったロボットをベースに作製した。ヘビ型ロボットの関節部の浮上と接地の切り替えを活用し、自律走行で障害物を避けながら地下ピットの内部を移動、内部の状態を撮影する。
さらに、適切な経路計画と速度制御で地下ピットの各区画をつなぐ最大高さ1メートルの人通口を、転倒を回避しながら自律的に通過できる動作を実現している。
地下ピットは給排水設備や電気の配線がある建物にとって重要な場所で、大末建設は工事の完成前に点検員が目視で設備の稼働やコンクリート打設の状況を確認している。しかし、天井が低く、区画間の移動に人通口を通らなければならないうえ、湿度や二酸化炭素濃度が高く、酸欠の危険があることから、点検員の負担が大きかった。
大末建設はヘビ型ロボットの活用で点検作業の効率化と点検員の負担軽減ができると期待している。