2022年10月14日、国立大学法人東京工業大学と国立大学法人東京医科歯科大学は、両法人と両法人が運営する東京工業大学、東京医科歯科大学を統合することとし、基本合意書を締結した。指定国立大学法人同士の統合は初めて。統合時期は2024年度中を目指し、国際的に卓越した研究教育拠点を築くとしている。
東京工業大学によると、統合は1法人1大学の形を取る。運営法人だけを統合する1法人2大学形式が有力との観測が流れていたが、急激に変化を遂げる社会の中で新たなイノベーションを起こすには、従来の縦割り方式に限界があるとして、分野を超えた研究を加速させるため、難度の高い大学統合に踏み切ったとみられる。
政府は2024年度、年間数百億円を支援する国際卓越研究大学制度を創設する。年内にも公募が始まる見通しだが、両大学は新大学の統合手続きを急いで進め、これに応募したい考え。
統合法人や新大学の名称は両大学の学長が共同で委員長を務め、両大学合同で設立する統合準備委員会で検討を進める。どちらも有名国立大学として国内でブランドが確立されているだけに、どのような名前を選ぶのか、注目を集めそうだ。
東京工業大学は1881年、東京職工学校として設立され、1929年に現在の名称に変更した。理工系総合大学として世界を舞台に活躍できる人材と研究成果を生み出してきた。東京医科歯科大学は1928年、官立歯科医学教育機関として設立され、日本で唯一の医療系総合大学院大学として運営されてきた。