地方創生を目的とした東京23区の大学定員規制に対し、日本私立大学連盟は早期撤廃を求める文書を発表した。同時に今回の規制が地方創生という目的に適した政策であるかどうか、検証して効果を公表するよう政府に求めている。

 日本私立大学連盟によると、要請は2018年の地方大学振興法施行でスタートした大学定員規制が見直しの時期を迎えたのを受けてまとめた。見直しを進める内閣府の有識者会議に対しては9月、各道府県から東京23区への大学進学時の流出状況と23区内に立地する加盟大学のアンケート調査結果を提出している。

 早期撤廃を求める要請文書では、定員規制が東京23区の大学で学ぼうとする学生たちの多様な就学の機会を制約し、わが国の発展を大きく損なう危惧があると指摘した。加えて、東京23区内の大学が新規分野の教育に乗り出そうとする場合に、学生納付金以外の確実な原資を確保するのが困難になっているとしている。

 このため、規制を早期に撤廃するとともに、地方創生効果を検証して公表するよう求めたほか、仮に地方創生に効果があったとしても数理やデータサイエンスなど社会的なニーズが高い分野の学部、学科新設について、第三者機関で審査してこれを認める特例措置を講じるよう要望している。
東京23区の大学定員規制は東京都が撤廃を強く求めている。

参考:【日本私立大学連盟】私大連は東京23区の定員規制の撤廃を求めます

大学ジャーナルオンライン編集部

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