九州工業大学は福岡県飯塚市、ソフトウエア大手のSAPジャパン、情報システムのテクノスジャパンとデジタル人材育成と地方活性化で連携協定を締結した。飯塚市でデジタル人材を育成するとともに、IT企業や技術者の誘致を進め、人口減少に苦しむ地方で新産業の創出を目指す。
九州工業大学によると、今回の連携協定に基づき、飯塚市内の小学校、中学校、高校、大学でSAPジャパンが持つ知見や技術、テクノスジャパンのデジタルビジネスに関する知見を生かした教育プログラムを展開、九州工業大学が産業界のニーズに適した知識やスキルを提供する。
飯塚市は福岡県中央部に位置する筑豊地方の中心都市。近代に入って筑豊で採掘される石炭が国の基幹産業となり、炭鉱の街として栄えたが、閉山後は急激な過疎化が進んでいる。人口は約13万人。1950年代には20万人近い人口を抱えていたが、3分の2に減っている。
市内に九州工業大学や近畿大学のキャンパスがあることもあり、飯塚市産学官産業共創ビジョンを策定して情報産業都市の建設を推進している。今回の協定締結でさらにその動きを加速し、ITを有効活用した地域活性化と地域資源をエンジンとする新産業の創出に乗り出す方針。九州工業大学とSAPジャパン、テクノスジャパンはこれをバックアップする。