東京都教育委員会は都立高校の魅力向上を目的とした実行プログラム案をまとめ、都民から意見募集を始めた。寄せられた意見を基にプログラム案を再検討し、2023年3月末までをめどに実行プログラムを策定する。

 都教委によると、都民の意見はホームページ上に設けた提出フォームか、都教育庁高等学校教育課への郵送で2月24日(金)まで受け付ける。

 実行プログラム案は先端技術の急速な進歩やグローバル化が進む社会構造の変化の中で、都民や企業からの都立高校に対する要望に応え、新たに浮上した課題解決を目指して改革を進める内容。基本的な考え方として、
・生徒一人ひとりの能力を伸ばす
・さまざまな困難を抱える生徒を支える
・生徒や社会のニーズに応える学校づくり
-の3点を掲げた。

 生徒の能力面では、教科「情報」の充実や大学院生等による探究アドバイザー派遣、進学指導推進校において民間事業者を活用した校内予備校実施、世界のSTEAM教育視察、オンライン英会話の活用、理数教育の充実、芸術分野のプログラムによる秀でた才能を持つ生徒の支援などを打ち出している。

 困難を抱える生徒の支援では、福祉系主任を増員して各都立高校へ自立支援チームを派遣するほか、不登校対策として校内での別室指導体制の確立、仮想空間での支援拡充などを盛り込んだ。日本語指導が必要な外国出身の生徒に対する支援も手厚くする。

 質の高い教育内容では、学際領域や地域社会に関する学科の新設、東京農工大学と連携した農業高校の活性化、工科高校(2023年度より工業高校から名称変更)の活性化、大学3年生での教員選考方法一部前倒しなどを挙げている。

参考:【東京都】御意見募集「都立高校の魅力向上に向けた実行プログラム」(案)について

大学ジャーナルオンライン編集部

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