政府が2020年度からスタートさせる計画の大学など高等教育無償化で支援対象者や対象校の選定要件に対し、私立大学側などから異論が出ている。文部科学省の有識者会議に提出された資料では、国公立大学側がおおむね条件を満たしているとしたのに対し、私立大学や短期大学側は政府方針に疑問をぶつけている。

 文科省有識者会議への提出資料によると、国立大学協会、公立大学協会は実務経験を持つ教員による授業など支援対象要件をおおむね満たしているとしている。

 これに対し、日本私立短期大学協会は「実務経験者による授業は多様な科目を置く大学ほど実現が困難になる」、全国公立短期大学協会は「人文系学科には実務経験が必要でない科目もある」、日本私立大学連盟は「国公立と私立の授業料格差是正が先決」などと注文を付けた。

 新制度は2017年の衆議院議員選挙で安倍晋三首相が公約に掲げたもので、2019年10月に予定される消費税率引き上げによる増収分の一部を活用、2020年度からスタートさせる。住民税非課税世帯の授業料と生活費を無料にする大枠が2017年末に決まり、文科省が中心となって具体的な制度設計に入っている。

 骨格は6月に公表予定の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込み、年内に詳細な制度案をまとめる方向。政府内では住民税非課税世帯を無償とし、年収380万円未満程度の世帯まで段階的に授業料と生活費を援助する骨格案が浮上している。
所得が少なくても一定以上の資産を持つ世帯を対象から外し、財務情報の公開、実務経験がある教員の配置など一定基準を満たした大学などを無償化の対象にするとしている。

参考:【文部科学省】高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議(第5回) 配付資料

大学ジャーナルオンライン編集部

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