神奈川工科大学情報学部の上田麻理准教授らは、『音読』を取り入れた新しいプログラミング学習システムを開発した。学習者がテキストや入力するプログラムを音読し、その自身の発声音を学習者が聞くことにより学習効果向上を図る。

 プログラミング学習では学習者がテキスト等を黙読する方法が一般的だか、特に学習初心者ではプログラミング上重要な言語や記号等をスムーズに理解できず、学習初級者の理解不十分や学習意欲低下を招く点が課題だった。

 そこで、上田准教授らは神経科学や教育分野等で有効性が認められている『音読』をプログラミング学習に適用試行したところ、学習効果が向上することを確認。音読の「見る・話す・聞く」過程でより多くの感覚が働くことが、プログラミング学習でも機能したと考えられる。
 
 この試行結果をふまえてシステム化し、実際のプログラミング学習の場で利用したところ、多くの学習者から「初心者でも楽しく学べた。」「より深く理解できた。」と好評価を得た。『音読』によって学習者は従来以上の満足感を持てるようになり、学習初級者の理解不十分や学習意欲低下も解消できるのではと期待されている。

 今後、学習効果の自動採点化や学習者個々の特徴をふまえた評価実現など、本成果のより高精度化を目指して、研究開発を続けていく。なお、本研究成果は2023年1月2日発行の日本音響学会誌・英語版(Acoustical Science and Technology 2023 Volume 44 Issue 1)にて発表されている。

論文情報:【Acoustical Science and Technology】Basic study on the effectiveness of reading aloud in learning programming languages

神奈川工科大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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