政府は評議員会の権限強化と学校法人役員への刑事罰新設を柱とする私立学校法改正案を閣議決定した。私立大学で近年、不祥事が相次いだことへの対応で、今国会に提出して2025年4月の施行を目指す。

 文部科学省によると、理事長への権限集中や理事長の諮問機関とされる評議員会の形骸化を防ぐ目的で、理事の選任に評議員会の意見を聞き、評議員会が法令違反など問題のある理事に対して理事会へ解任請求できるとした。

 現行の制度では理事長の意向に従う人物を評議員に集めることができ、理事会の決定を監視する機能が十分に働いていないとして、理事と評議員の兼任を禁止し、親族の評議員を全体の6分の1までに制限する。

 学校法人役員に対する刑事罰は特別背任、贈収賄、目的外の投機取引、不正手段での認可取得が対象となる。最も罰が重い特別背任は「7年以下の拘禁刑か、500万円以下の罰金、もしくはその両方」とし、刑法の背任罪より重く、一般社団法人並みの法定刑としている。

参考:【文部科学省】私立学校法の一部を改正する法律案

大学ジャーナルオンライン編集部

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