創立65年目となる日本福祉大学の通信教育課程である福祉経営学部 医療・福祉マネジメント学科の2018年度の出願者数が、過去最多の2,671名となった。
日本福祉大学は、1953年に日本初となる4年制福祉系学部を開校。通信教育課程の出願者数は4年連続で増加し、2018年度の出願者数は、過去最多の2,671名だった。出願者数が過去最多となった背景には、超高齢化社会の日本において福祉の知識をもつ人材の多方面での需要と官民で取り組む介護環境の改善などがあるという。
日本は超高齢社会に直面し、国民の3分の1が65歳以上になる2025年には、介護人材の不足が38万人に上ると予想されている。このような状況の中、2000年から2015年の15年間で介護人材は55万人から3.3倍の183万人へと増加した。
また、介護人材の確保にむけ、民間企業では、従業員が働きやすい勤務体系の整備や施設の指導体制を整える等職場環境の改善に注力。厚生労働省では、勤続10年以上の介護福祉士に月額8万円相当の賃上げを決定するなど、雇用条件の改善も官民の両側面から行われている。
高齢者に関する市場も大幅に成長し、2025年には100兆円を超えると予想されている。今後、高齢者を介助する、介護産業や医療・医薬産業だけでなく、高齢者向けの健康食品を開発する食品産業や高齢者用の住宅を販売する建築産業など、多くの生活産業が市場に参入すると考えられ、様々な分野で福祉の知識を持つ人材が求められると考えられる。
こうした福祉関係の人材の需要を背景に、日本福祉大学では、通信教育部の25歳以上の社会人入学生の割合は88.4%(2017年入学者)におよぶ。大学では、今後もこうした超高齢時代のニーズをうけ、医療・福祉に関する知識や技術の修得はもちろん、組織や資金のマネジメント能力、福祉ニーズに対応するマーケティング能力など多面的な能力を備えた医療・福祉マネジメント人材の養成を目指していく。