光熱費がウクライナ危機などから高騰が続く影響で、東京藝術大学は音楽学部が保有するピアノの一部を売却した。経費節減を迫られたための苦肉の対応で、引き続き節電に努め、経費削減を進めるとしている。

 東京藝術大学によると、売却したのは音楽学部が保有するピアノ357台のうち、一般的な耐用年数とされる30年を過ぎた5台。いずれも保有するピアノの中では最も古い部類に入り、経年劣化が進んでいた。一部の練習室でピアノが撤去されたが、十分な台数が残っており、学生の授業や練習に影響はない。

 東京藝術大学は電気料金が急上昇したため、否応なしの経費節減を迫られ、保有するピアノの設置場所や適正台数の見直しを進めていた。ピアノが撤去された練習室を利用する予定だった学生に対しては、別の練習室を予約するよう求めている。

 電気料金は燃料費の高騰を受けて値上げが続いている。東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力が規制料金の4月からの値上げを国に申請しているほか、発電所から電気を送る際の送電線利用料が引き上げられることもあり、北海道電力を除く電力大手9社で4月の料金が3月よりさらに上昇する見込み。

参考:【東京藝術大学】音楽学部でのピアノ撤去について

大学ジャーナルオンライン編集部

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