京都大学大学院理学研究科生物学専攻は、細胞から植物・動物に至るまで、生物学に関わる映像・画像を幅広く収録したオープンアーカイブ「KyU Tube Bio」(キュー・チューブ・バイオ)を開設した。
同専攻では、京都大学の伝統であるフィールドワークに重点をおいた個体レベル以上のマクロ的研究と、ラボワークによって細胞の構造や機能、遺伝子の発現、発生、タンパク質の分子構造などを明らかにしようとする細胞レベル以下のミクロ的研究を統合し、地球上の多様な生物が織りなす様々な生命現象を対象とした教育と研究を推進している。その過程で、撮影された膨大な映像と画像が蓄積されてきていたが、その多くは個々の研究室や教員の元に保存されているのみだった。
そこで同専攻は、これらの映像・画像を収録したオープンアーカイブを構築するプロジェクトを立ち上げた。本アーカイブには、専攻内基幹講座にあたる動物学教室・植物学教室・生物物理学教室に属する全18研究室全てから、102点の映像と156点の画像が登録されている。各映像・画像ページには、生物種名・撮影場所・撮影日時・撮影条件・キーワードなどの詳細なデータと、簡単な解説文が日英2カ国語で掲載されている。研究教育資料として非常に有用である。原則無償で複製・転載・頒布でき、インターネットを通じて国内外に広く公開し、閲覧・活用できるようにすることを目指している。