上手な勉強の仕方が分からないと考える子どもがこの4年間で急増していることが、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の調査で分かった。学習方法の理解は学習意欲や成績と関連しているが、学習方法の理解が特に成績向上に効果があることも明らかになった。
東京大学によると、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は2015年から2022年まで小学1年生から高校3年生までの子どもとその親約2万1,000組を対象に意識や行動の変化を探る追跡調査をしており、学習方法の理解をテーマに調査結果を分析した。
その結果、上手な勉強の仕方が分からないと考える子どもが2019年からの4年間で急増し、全体の約7割に達していた。2022年で小学校4~6年生は61.1%、中学生は68.1%、高校生は73.2%おり、前年より2.7~9.9ポイント上昇している。子どもたちの学習意欲が低下している傾向も前年から変わっていなかった。
上手な勉強の仕方が分からないと考える子どもを2年間追跡したところ、学習方法を理解できた子どもが12.5%おり、翌年に学習意欲が高まって成績が向上していた。論理的な思考をし、決めたことをやり遂げることができる子どもに多かった。
研究グループは家庭や学校で学習方法を指導することが子どもたちの学習意欲を高め、成績や資質の向上につながるとみている。
参考:【東京大学】「上手な勉強のしかたがわからない」という悩みが約7割に増加 ~ “学習方法の理解”は学習意欲と成績の向上に効果があることが明らかに~(PDF)