国内の大学発ベンチャー企業の数が2022年10月末現在で前年同期より477社増えて3,782社に上ったことが、経済産業省の調査で分かった。企業数、増加数とも過去最多で、経産省は新たなイノベーションの担い手として期待している。

 経産省によると、大学などの革新的な研究成果をもとに起業した大学発ベンチャー企業の数は1990年度に55社で、その後しばらく微増が続き、2004年度にようやく1,000社を突破した。2017年度に2,000社を超えたころから、政府の後押しもあって増加に拍車がかかり、2021年度に3,000社を突破していた。

 大学別で企業数を見ると、トップは東京大学の371社。2位は京都大学の267社、3位は慶應義塾大学の236社。以下、筑波大学の217社、大阪大学の191社、東北大学の179社、東京理科大学の151社、名古屋大学の137社、早稲田大学の128社、東京工業大学の119社と続く。2022年度の増加数では慶應義塾大学の61社が、企業数上位10校の中で最も多かった。

 大学発ベンチャー企業経営トップの前職は大学や公的研究機関の教職員、研究員が最も多く、学術界出身者が経営トップに就任するケースが目立っている。博士号取得者の在籍割合は20%に達し、一般企業の4%を大きく上回った。

参考:【経済産業省】令和4年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました(速報)

大学ジャーナルオンライン編集部

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