文部科学省は仙台市青葉区の東北大学青葉山キャンパスに整備中の次世代放射光施設「ナノテラス」が2024年度から運用開始されるのを前に、6月26日から全国8会場で利用説明会を開く。
文科省によると、説明会の日程は▽6月26日=東北大学青葉山キャンパス▽28日=東京工業大学大岡山キャンパス(東京都目黒区)▽7月5日=立命館大学大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)▽13日=名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区)▽18日=北海道大学札幌キャンパス(札幌市北区)▽26日=広島大学霞キャンパス(広島市南区)▽28日=筑波大学筑波キャンパス(茨城県つくば市天王台)▽31日=九州大学伊都キャンパス(福岡市西区)。
各会場とも230~610人の定員が設定されているが、定員500人までオンラインによる参加が可能。説明会の内容は全会場同じで、文科省がナノテラスの概要を説明するほか、量子科学技術研究開発機構が学生や研究者の利用方法、光科学イノベーションセンターが産業界の利用方法を解説する。
ナノテラスは光速に近い速度で進む電子の方向を電磁石の力で曲げるときに発生する放射光で100万分の1単位の世界を可視化する施設。全長110メートルの加速器で電子を加速、全長349メートルの蓄積リングで電磁石の力を使って進行方向を曲げる。
放射光は管を伝って試料に当たり、その反応を観察することによって物質の構造が分かる。米を炊いたときのデンプンの状態や冷凍魚の体内の氷の結晶なども観察でき、さまざまな用途に利用できると期待されている。