中央大学は理事会を開き、東京都八王子市の多摩キャンパスにある法学部の東京23区内移転計画について審議し、2023、2024年に順次、移転するスケジュールを決定した。2015年に策定した中長期事業計画に基づく計画で、キャンパスの都心回帰で看板学部のブランド向上を図る。
中央大学によると、東京都文京区大塚で予定している新校地が取得できた場合、法学部の収容定員5,756人のうち、2~4年生の4,317人を2023年に新校地へ移し、1年生1,439人を翌2024年に文京区春日の後楽園キャンパスへ配置する。
新校地取得が難航したときは、東京都千代田区神田駿河台の駿河台校地に1年生1,439人を2023年に配し、2~4年生の4,317人を翌2024年に文京区春日の後楽園キャンパスへ移転させる。
法学部は中央大学の看板学部で、大学の前身である英吉利法律学校が1885年に設立されて以来、法曹界や政財界、官界に多くの人材を輩出してきた。司法試験合格者数でも常に全国の上位に位置しているが、大学内には都心からキャンパスが離れていることが、優秀な学生確保のハンディになると危惧する声が出ていた。
これを受け、中央大学は2015年、今後10年間を見据えた中長期計画を策定、多摩キャンパスと都心キャンパスの二大キャンパス体制を整える方針を打ち出した。この中で看板学部の法学部を都心回帰させ、ブランド向上で優秀な学生確保を進める意向を明らかにしていた。