2018年10月10日、静岡県の高等教育機関等で組織される「ふじのくに地域・大学コンソーシアム」が主催するシンポジウム「静岡県の大学の将来像を探る」が開催された。
現在、18歳人口の減少や地域経済の衰退、急速なグローバル化の進展など様々な社会変化に直面しており、大学教育にもその変化への対応が求められている。そこで、「ふじのくに地域・大学コンソーシアム」に所属する静岡県内の大学学長らが集い、シンポジウムを開催。静岡県の高等教育機関の今後の方向性を探った。
シンポジウムの第一部は、筑波大学・永田恭介学長による基調講演「大学教育の将来」が行われた。永田学長は、中教審部会長の立場から、科学・技術が変えるグローバル社会、大学の在り方に決定的な影響を及ぼす日本の大きな問題、大学の将来像、大学の連携協働の例について、また、筑波大学学長の立場から、国際性の日常化、リカレント教育-社会との協働、地域との連携協働といった筑波大学の試みを紹介した。
第二部の「静岡県の高等教育の在り方」をテーマに開かれたパネルディスカッションでは、永田筑波大学学長のほか、静岡大学・石井潔学長、静岡県立大学・鬼頭宏学長、静岡理工科大学・野口博学長がパネリストとして登壇。国立大学、公立大学、私立大学それぞれの立場から、現在の取り組みや今後の構想などについて話し合われた。野口学長は、静岡理工科大学が行う地域学の講座をはじめとした袋井市との取り組みや、学生の学生フォーミュラ大会、鳥人間コンテスト、NHKロボコンなどの取組みを紹介した。
「ふじのくに地域・大学コンソーシアム」は、静岡県の大学間連携組織である「大学ネットワーク静岡」を発展的に改組した組織。静岡県の高等教育機関の相互連携を深め、行政、産業界、非営利活動法人などとネットワークを形成し、県内高等教育機関の教育力・研究力の向上、地域社会の発展に寄与していくことが目的。2014年に設立、2015年に静岡県から公益認定を受け、公益社団法人となった。