道田豊 東京大学大気海洋研究所教授がフランスのパリで開かれたユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)第32回総会で次期議長に選出された。日本人がユネスコ政府間海洋学委員会の議長に選ばれたのは初めて。任期は2025年6月下旬に予定されている次回総会の終了時まで約2年間となる。
文部科学省によると、ユネスコ政府間海洋学委員会は国際協力で海洋に関する知識、理解増進に資する科学的調査の推進を図る目的で1960年に設立された。現在、海洋観測や調査の推進、津波早期警戒システムの構築、全球海洋観測システムの構築などを進めている。
日本は設立以来、任期2年の執行理事国として活動し、専門家の派遣や財政支援を続けている。日本ユネスコ国内委員会科学小委員会の下にIOC分科会を設置、道田教授が主査を務めている。
道田教授は東京大学大学院理学系研究科修士課程を修了後、海上保安庁に勤務し、南極観測隊員や水路部企画課補佐官を務めるなどした。2000年から東京大学海洋研究所助教授、2007年に教授となり、2010年から大気海洋研究所教授を務めている。2015年に海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)を受賞した。