千葉商科大学は、特長である「実学教育」を未来志向に発展させるため、2025年度から基盤教育機構および4学部6学科(現在5学部7学科)の新たな教育体制に改組する。2023年8月2日、1928年の創立以来”初”となるこの全学改組ついての記者発表会を行った。
記者発表会には、運営する学校法人千葉学園の内田茂男理事長、千葉商科大学の原科幸彦学長、今井重男副学長、橋本隆子副学長のほか、常見陽平准教授を始めとする若手・中堅教職員代表6名が登壇し、2025年度からの全学改組で変わる新たな教育の全体像と教育体制などについて説明した。
2025年度からの千葉商科大学の教育体制は、基盤教育機構(全学部共通カリキュラム/アドバンストプログラム)および商経学部(商学科/経営学科)、総合政策学部(経済学科/政策情報学科)※設置構想中、サービス創造学部(サービス創造学科)、人間社会学部(人間社会学科)の4学部6学科へ改組する。構想中の総合政策学部は実学的な経済を踏まえた政策立案ができる問題解決人材を育成する。
この全学改組により学部の垣根を越えた履修が可能となり、学生の興味に合わせて分野を越境しながら自由に学び、基盤教育機構と他学部・他学科・アドバンストの科目から卒業必要単位数の2分の1まで取得が可能となる。また、初年次中心の全学部共通プログラムを拡大し、さらに先進的な学びとしてグローバル、情報・データサイエンス、キャリア、総合教養(公務員)を、全ての学生が履修できるアドバンストプログラムとして提供する。
一方、現在の国際教養学部は2024年度入学者をもって募集を停止。同学部のグローバル教育は、すべての学生が学べるように全学部に展開する。
千葉商科大学は2020年6月より全学改組について議論を開始。2022年4月以降は全学で教員・職員が一体となって意見交換し、ボトムアップ型の組織改革を進めてきた。改革の中心となったのは、所属組織や研究分野を越えて若手から中堅の教職員により編成された「CUC未来会議」だ。
「CUC未来会議」は新しい教育体制の骨格をまとめただけでなく、学問領域や各教員の研究テーマが1機構・5学部で重複しているなど人的リソースが分散している点を経営上の課題に設定。多様で柔軟な教育プログラムを構築するためには、組織改革を行い、未来志向の実学教育を目指すことが必要だと判断して、43%の教員が学部を越えて異動する大規模人事異動を決定した。
千葉商科大学の全学改組は、経営を担う理事会が「大学改革こそ経営計画の主軸」と捉えてリードし、そのもとで教職員が一体となって進めた、大学業界に風穴をあける抜本的な改革といえる。