埼玉工業大学人間社会学部情報社会学科は、先進のCG&AR技術を活用した観光支援共同プロジェクトの第一弾として、福島県南会津郡只見町の魅力を紹介するオリジナル動画を制作した。

 埼玉工業大学と只見町の関わりは2020年5月より、町内を走るJR只見線の「JR只見線利活用プロジェクト」実行委員に情報社会学科の本吉裕之准教授が就任したことに始まる。2011年7月の新潟・福島集中豪雨により路線が分断された只見線の復旧後に向けた産学連携活動を展開し、只見駅近くの三石神社を軸とした観光整備やレンタカーなどの2次交通などを実現させてきた。新型コロナウィルス感染対策期間は毎週Zoom会議を行い、その後は2ヶ月に1回程度現地を訪問、学生インターンシップ(就労体験)も実施している。

 JR只見線はその後2022年10月1日に11年ぶりに全線の運転を再開。そこで情報社会学科経営システム専攻 経営企画研究室の本吉裕之准教授が同学科のメディア文化専攻 森沢研究室と共同で、観光支援を目的としたヴァーチャル・キャラクター「アテンドル」を制作した。

 「アテンドル」とは、観光地や観光客に寄り添い(Attend)ながら、地域の魅力をわかりやすく伝えるヴァーチャル・アイドルの名称で、情報社会学科ではアテンドルを利用した観光PRやプロモーション用コンテンツの開発を進めている。今回、両研究室の大学院生と学生が、只見町公認キャラクターとして三石神社の案内表示などに活用されている「三石縁(みついしゆかり)」をアテンドルとして動画撮影、CG制作を行った。

 アテンドルはリーズナブルな予算で3DCGキャラクターを活用した動画を制作が可能。PR動画制作では、アニメーション設定に対応した3DCGキャラクター制作用ソフト、キャラクターをアクターの動きに合わせて操作する小型モーションセンサー、スマートフォンを使用して、全てのシーンを只見町の三石神社などの観光地でロケーション撮影した。

 制作した只見町観光PR動画は、2023年8月20日に只見町「季の郷 湯ら里」で実施された「JR只見線開業60周年記念式典」で発表し、今後は只見駅構内、只見町インフォメーションセンター内、只見町役場内での各モニターで放映されるほか、YouTubeなどの各SNSにおいて、国内外へ配信する。

 今後、情報社会学科では、全国の地方自治体の観光コンテンツ支援として、リアルタイム・アニメーションに特化したCGキャラクター「アテンドル」を利用した産学官連携の共同プロジェクトを提案し、具体的な観光支援を積極的に展開していく。

参考:【埼玉工業大学】情報社会学科 森沢教授、本吉准教授が福島県南会津郡只見町の観光PRコンテンツを共同プロジェクトで制作

埼玉工業大学

好奇心を掻き立て、想像力を導き出す。世界を大きく動かす力を秘める多彩な学び

2025年4月から、工学部は新設専攻を含む3学科10専攻編成となり、より時代に即した学びが可能になります。大学の援助を受ける「がんばる!学生プロジェクト」では学生が主役となりグループ活動ができます。さらに、自動運転バスの試験走行といった企業や地域とのコラボレー[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。