山梨大学工学部は2024年度の創立100周年に向け、現在の7学科を1学科複数コースに再編することを決めた。文部科学省に提出した設置報告書が受理され、2024年度から実施する。女子枠や入学後に専門分野を決めることができる総合工学枠を設ける。
山梨大学によると、現在の機械工学科、メカトロニクス工学科、電気電子工学科、コンピュータ工学科、土木環境工学科、応用化学科、先端材料理工学科の7学科は、工学科にまとめ、クリーンエネルギー化学、応用化学、土木環境工学、コンピュータ理工学、機械工学、メカトロニクス、電気電子工学の7コースが工学科内に設けられる。工学部全体の定員365人に変化はない。
この中で情報分野に当たるコンピュータ理工学コースの定員を2年次から大幅に増やすほか、クリーンエネルギー化学コースは山梨大学がこれまでに積み上げてきた燃料電池など国内有数の研究業績を活用して創設する。
入試は一括方式を採用し、コース希望を勘案して合格者を決める。入学後に専門分野を決める総合工学枠を置く。2年次に条件を満たせば他コースに移れる制度も新設する。
入試形態も変える。現行の選抜区分に加え、大学入学共通テストが不要な「学校推薦型選抜Ⅰ」を新たに実施し、日本国内の高校を卒業又は令和6年3月卒業見込の受験生に最大5回の受験機会を提供する。また「学校推薦型選抜Ⅰ」において各コースに2人ずつの女子枠を設ける。大学入学共通テストを利用する全ての選抜(総合型選抜Ⅱ、一般選抜(前期、後期))において、新たに「生物」を選択可能とする。
山梨大学工学部は大正時代の1924年、山梨高等工業学校として開学した。2024年度に創立100周年を迎えるのを機に、産業界から求められる人材の養成を目指して学科を再編する計画を練っていた。