宮崎大学工学部は2024年度に実施する推薦入試から女子枠を導入することを決めた。九州の国立大学で初めてで、工学分野での女性研究者を増やすのが目的。これと並行して工学部の女性研究者や学生が宮崎市内の中学を訪れ、女子生徒が理系を進路に選択することを支援する事業も宮崎県教育委員会や宮崎市教育委員会と連携して進める。

 宮崎大学によると、工学部の女子枠は総定員370人のうち14人。数学の筆記試験や面接、小論文が課せられ、一般選抜より早い11月に行われる。

 産業界では近年、理工系の技能を習得した女性を求める傾向が強まっているが、宮崎大学工学部の女子学生は2022年度まで7年間平均で11.3%にとどまっている。全国平均の15.7%を下回り、人材の多様性を確保するために女子学生の増加と育成が学部の課題に浮上している。

 このため、女子枠の導入と並行して女子中学生に理系志望者を増やす事業を始める。宮崎市内の8中学校で工学部の研究を紹介するほか、九州電力、旭化成、デンサンに勤める女性社員と交流するなどして女子中学生に工学の魅力を発信することにしている。

参考:【宮崎大学】中学生からの理系進路選択支援に力を入れます

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