大学、短期大学、高等専門学校の関係団体代表で構成する就職問題懇談会は、企業に新卒採用ルールの順守を訴える要請文例を作成し、大学などに利用の呼びかけを始めた。経団連が10月、就職・採用ルールの廃止を正式に決めたのを受け、企業が採用活動を前倒ししかねないことに危機感を持ち、大学などが企業へあらためてルール順守を求めるよう呼び掛けている。

 文部科学省によると、要請文例は2019年度の就職・採用活動について、企業側の広報活動開始を2019年3月1日以降、採用選考活動開始を6月1日以降、正式内定日を10月1日とする現行ルールの順守を訴えるとともに、2月末までに実施される企業説明会に大学などが協力せず、学校推薦書の発行が6月1日以降になることを強調している。

 就職・採用ルールは2020年春入社の学生まで現行ルールが適用されるが、経団連のルール廃止により、1953年に始まった就職協定以来、約70年間続いてきた就職・採用活動の目安がなくなることになった。

 政府は10月の関係省庁連絡会議で2021年春入社の学生に対し、現行のルールを踏襲するよう各企業に要請することを決めたが、企業の中には超売り手市場の中で優秀な学生を確保するため、採用活動時期を前倒ししようとする動きが見え、学業に影響するなどとして大学などが反発していた。

参考:【文部科学省】大学、短期大学及び高等専門学校就職支援担当の方へ -(企業への要請文例)2019年度大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動についての御願い-

大学ジャーナルオンライン編集部

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