大学団体などでつくる就職問題懇談会は経団連など経済団体に対し、面接など採用選考の開始時期を2020年度も現行通り大学4年生の6月1日以降とするよう文書で要請した。2020年は東京五輪、パラリンピックが開催されることから、ボランティアで関わる学生への配慮も呼び掛けている。

 文部科学省によると、就職問題懇談会の文書は会社説明会など採用の広報活動開始を3月、面接など選考開始を6月とする現行の枠組みが極端な就職活動の早期化、長期化を抑制し、学生の学修環境確保に良い影響をもたらしていると指摘。無用な混乱を避ける意味も込めて、現行通りの採用活動開始とするよう要請している。同時に、採用活動前の内々定も自粛するよう求めた。

 東京五輪、パラリンピックの開催に関しては、地方の学生が就職活動のための宿泊施設確保が難しくなる事態も想定されるほか、ボランティアとして大会に参加する学生もいるとし、個々の事情に十分に配慮した採用活動とするよう要請している。

 学生の採用活動開始時期については、経団連がこれまで示してきた指針を2020年度以降、策定しない方針を打ち出している。これを受け、政府は2020年度について現行日程の維持を決めた。2021年度以降の対応は明らかにしていないが、日程の変更について慎重な姿勢を崩していない。

参考:【文部科学省】2020年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)

大学ジャーナルオンライン編集部

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