北翔大学生涯スポーツ学部の黒田裕太准教授と中京大学教養教育研究院の紙上敬太准教授らの研究グループが、全国都道府県の高校テニス団体戦の勝敗と生徒の学力偏差値を調べたところ、有意な関係があることを見つけた。

 北翔大学によると、研究グループは47都道府県で行われた高校テニス団体戦の全国選抜高校テニス大会地区予選、全国高校テニス選手権大会地区予選の計4,780試合を対象に、勝った高校と負けた高校の偏差値を比較した。

 その結果、勝った高校の偏差値が負けた高校より高かったことが分かった。この傾向は男女別、大会別に見ても変わらなかった。研究グループはテニスをすれば学力が上がるとか、学力の高い生徒がテニスを早く上達するとかいうことはできないが、文武両道が成り立つことを示唆した結果だとみている。

 過去の研究で運動習慣を身につけて体力を高めることが認知機能の健全な発達、学力の向上に重要な役割を果たすと考えられるようになってきた。現在の高校保健体育の教科書では、運動やスポーツが脳を育てるとして体力の高い子どもほど学力テストの成績が良いことを示す研究が紹介されている。

 しかし、これまで競技スポーツに注目した研究が少なかったため、学力と競技スポーツの結果の関係は分かっていなかった。

論文情報:【Trends in Neuroscience and Education】Balancing academics and athletics: School-level athletes’ results are positively associated with their academic performance

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