ノンアルコールの摂取で飲酒量が減少し、その効果が8週間後も継続することが、筑波大学医学医療系の吉本尚准教授の研究で分かった。ノンアルコール飲料の飲酒量に対する影響を調べた研究は世界初で、過剰なアルコール摂取対策にノンアルコール飲料が有用である可能性が示された。

 筑波大学によると、吉本准教授は20歳以上で週に4回以上飲酒する男女123人を、ノンアルコール飲料を提供するグループとそうでないグループに無作為に分け、20週間の間、アルコール飲料とノンアルコール飲料の摂取量を記録した。

 その結果、ノンアルコール飲料を提供されたグループはそうでないグループに比べ、アルコール摂取量が4週目から低い値を示し、12週目では8.8グラム少なく、1日平均約310ミリリットルのノンアルコール飲料を消費していた。

 12週目のノンアルコール飲料摂取量と実験開始からの飲酒量変化を分析した結果、ノンアルコール飲料を提供されたグループに有意な負の関係が見つかった。吉本准教授はアルコール飲料がノンアルコール飲料に置き換えられて摂取されたとみている。

 この結果はノンアルコール飲料が減酒のきっかけとなる可能性を持つことを意味する。吉本准教授はアルコールの過剰摂取対策に効果的な方法などを追加検証することにしている。

論文情報:【BMC Medicine】Effect of provision of non-alcoholic beverages on alcohol consumption: A randomizedcontrolled study

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