人類の存続に関わる社会問題を解決するための「総合生存学」を確立し、理系・文系の幅広い分野から社会課題解決に向けて活躍できるグローバルリーダーの輩出を目指す京都大学大学院総合生存学館(思修館)。来る11月6日(月)には、同学館の今年度の最大イベントである国際シンポジウムを開催する。
今回で12回目となるこの国際シンポジウムは、2013年2月に全地球的課題・社会課題を解決に導くグローバルリーダーに不可欠なスキルと倫理観を明らかにし、グローバルリーダーの教育・育成に関する経験を共有するための国際的協力体制を確立することを目的に始まった。過去第1回から10回では、目指すべき社会像に対する本質的視点を提示。昨年開催の第11回では、欧州における学際性(Transdisciplinarity)評価と、総合生存学館をはじめとする国内大学院における教育・研究という2つの視点から、「総合知」について議論した。学生と教員がともに、各学問分野の専門性と学際性の間に存在する二面性について理解し、「総合知」の実効的な評価の在り方について考えることが目的としている。
初回開催から10年の節目を迎える今回は、第11回を引き続き、「The Challenges of Transdisciplinary Education and Research: What Can Japanese University Learn from the European Experience(学際的な教育研究の課題と解決策—欧州の経験から日本の大学が何を学べるのか―)」と題して議論。欧州や日本の大学では学際的なアプローチが実際にどのように研究・教育に活かされているのか、その成功や失敗の原因を探り、日本・京都の地で展開する総合生存学の発展に活かしていきたいとしている。
総合知の大学院である総合生存学館の学びの最先端に興味がある学生、社会変革に取り組むグローバルリーダーを志す人の参加が待たれる。