大妻女子大学家政学部の水谷千代美教授はエステーとの共同研究で、これまで尿や便が主な臭いの原因と考えられてきた介護空間に湿布のような臭いがするサリチル酸メチルが存在していることを突き止めた。この発見で介護空間の臭いが尿臭、便臭、汗臭、加齢臭に湿布臭を加えた5つで形成されていることが分かった。

 調査は2017年7月から8月にかけ、在宅介護家庭10戸で被介護者が生活で最も長く滞在する部屋に捕集媒体を数カ所設置、1週間後に回収して分析した。

 それによると、在宅介護空間の臭気がこれまでに報告されている汗臭の脂肪酸類、加齢臭のアルデヒド類、尿臭のフェノール類、便臭のインドールに加え、湿布臭のサリチル酸メチルによって構成されていることが明らかになった。人間の感覚でも低強度であったものの、サリチル酸メチル由来とみられる湿布のような臭いが感じられた。
サリチル酸メチルは知覚神経に作用し、痛みやかゆみを鎮めるほか、血流を良くする働きを持つことから、湿布薬などに配合されている。

 65歳以上の高齢者人口は2015年で4人に1人の26.6%に達し、2040年までに要介護・要支援者が800万人を超すと推計されている。同居の家族が介護する場合、介護負担を軽減しなければならないが、介護時の困りごととして臭いが問題の1つに挙げられている。

参考:【エステー株式会社】エステー、大妻女子大学との共同研究で介護空間特有の〈複合臭〉を解明 新たな臭気成分として〈湿布臭〉を発見

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大学ジャーナルオンライン編集部

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