2023年11月14日、東京工業大学は台湾工業技術研究院(ITRI)との協力協定を締結した。

 東京工業大学は、今年50周年を迎えたITRIと過去20年以上にわたり革新的材料から半導体関連技術までの多くの共同研究を行ってきた。今後、両者は半導体、ネットゼロ、バイオメディカル、スタートアップ支援の分野に重点を置いた協力を進め、クロスドメインの専門知識を活かし、共同研究開発に取り組み、相互補完関係を築いていく。

 ITRIの劉文雄院長は、台湾と日本が天然資源不足、頻発する自然災害や高齢化など多くの共通した課題に直面していることに触れた上で、文化、研究開発や高品質に対する要求、そして職業倫理など共通する点が多く、互いに補完し合うことで双方に利益をもたらすことが出来ると話した。

 東京工業大学の益一哉学長は、協定によってバイオメディカルやスタートアップ支援を含む両者の協力プロジェクトが拡大され、お互いの関係が大幅に強化されるだろうとの考えを示した。その上で、東京工業大学の人的リソースや設備を活用して工研院との交流を進め、海外連携を基礎とした新たなイノベーションの成功モデルを構築していきたいと期待を述べた。

 東京工業大学は、2024年に東京医科歯科大学と統合し「東京科学大学」となる予定。そのため、ITRIと東京工業大学の協力協定はさらに意義深いものとなっている。両者の協力と知識交流は、半導体分野から医療バイオ分野へと拡大し、科学技術の革新を促進するだけでなく、台湾と日本の科学技術産業の発展にも寄与していく。今後、技術セミナーや、技術成果などの共有を通じて、連携協力を更に深化させていくことが期待される。

参考:【工業技術研究院】ITRIと日本の東京工業大学は、力を合わせてWin-Winの状況を生み出すために、半導体、ネットゼロ、バイオ医療、新たなイノベーション分野に焦点を当てた協力協定を締結

大学ジャーナルオンライン編集部

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