東北大学と東京大学、コンタクトレンズ大手のメニコンは、次世代コンタクトレンズの新素材開発と流通に使用されるプラスチック容器リサイクルについて共同研究に入る。東北大学と東京大学の研究力、メニコンの技術を融合し、業界の変革を可能にする基盤技術構築を目指す。
東北大学によると、共同研究は契約期間が4月1日から2027年3月末まで。東北大学大学院工学研究科の岡部朋永教授、東京大学物性研究所の原田慈久教授、メニコンフーチャーデバイスラボラトリーの伊藤恵利所長が代表を務める。
研究グループは次世代コンタクトレンズの素材となる合成樹脂のポリマー素材に軟X線という輝度の高い光を当て、表面の微細な変化を正確にとらえてレンズ装着が快適となる新素材を開発する。さらに、量子ビームによる精細な実態計測とデジタル技術を活用した計算を融合、精緻な素材設計に挑む。
ソフトコンタクトレンズの流通に使用されるプラスチック容器は年間約4万トンが利用されているが、医療機器に使用するための基準に合格したもので、熱や光、圧力による品質劣化が極めて小さい特徴を持つ。リサイクルプラスチックにうってつけの素材で、効率的な資源化を行えば、二酸化炭素排出量が少ない資材となる。
研究グループはリサイクル技術を確立するとともに、社会全体での環境配慮型コンタクトレンズの流通を進めたい考え。
参考:【東北大学】東北大学・東京大学・メニコン コンタクトレンズの基盤技術に関する共同研究を開始 新しい素材設計と流通資材のリサイクルで、業界に変革を