長崎県は長崎県立大学を運営する公立大学法人の理事長に長崎県佐世保市のテーマパーク・ハウステンボスの坂口克彦会長(69)を充てることを決めた。任期は5月1日から4年間で、長崎県庁で同日、大石賢吾知事から辞令が交付された。

 長崎県によると、坂口氏は富山県高岡市出身。新潟大学工学部を卒業後、衛生用品大手のユニ・チャームに入社、取締役常務執行役員などを務めたあと、旅行大手のエイチ・アイ・エスへ移り、取締役常務執行役員などを経てハウステンボス社長を務めた。

 ハウステンボスで前任となる沢田秀雄元社長が業績をV字回復させた後を受けて社長に就任し、社会のニーズを的確にとらえた経営手腕を発揮、エイチ・アイ・エスに頼らない自立した経営を進めてきた。2023年から会長職に就いている。

 長崎県立大学は佐世保市川下町の佐世保校(経営学部・地域創造学部)と、西彼杵郡長与町のシーボルト校(国際社会学部・情報システム学部・看護栄養学部)の2つのキャンパスに5学部9学科を持つ。1902年設立の長崎県立高等女学校校を源流に持つ現在のシーボルト校と、1951年開学の長崎県立佐世保商科短期大学から発展した現・佐世保校が統合して現在の形となった。2023年の在学者数は3025人。

 長崎県公立大学法人の理事長が民間から起用されるのは初めて。長崎県はハウステンボス経営で見せた手腕を発揮して若い世代のニーズをくみ取った大学運営、社会の要望に沿う人材育成に期待している。ハウステンボスの会長職は引き続き務める。

参考:【長崎県】長崎県公立大学法人理事長の任命及び辞令交付式の開催について

大学ジャーナルオンライン編集部

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