高校3年生の志望校選びで重視するポイントに「取れる資格」を挙げる声が増えていることが、マイナビが運営するマイナビ進学総合研究所の調査で分かった。マイナビ進学総合研究所はスキルを身に付け、将来のキャリア形成につながることを求める高校生が増加しているとみている。

 調査は3月、2024年3月卒業予定でマイナビ新学会員の全国の高校3年生を対象に進路に対する意識や進路選択の方法などを問う形でウェブを通じて実施、3,195人の有効回答を得て集計した。

 それによると、志望校選びで重視するポイントは「学べる内容」が52.3%を占め、前年の52.9%と同様に最も多かった。次は「取れる資格」の42.8%で、前年の35.9%から6.9ポイント増えた。前年に41.5%で2位だった「学部名・学科名」は35.1%にとどまり、3位になっている。

 受験校を選ぶ際の悩みで最も多かったのは、「将来やりたいと思う仕事が見つけられるか」の40.1%。「自分が学びたい内容を学べるか」の37.6%、「既にある目標の資格を取得できるか」の36.8%、「既にある目標の仕事に就けるか」の31.7%が続いた。

 進路を考える際に行った行動では、「ウェブサイトを調べた」が最多の44.9%を占めたが、進路選択の満足度では「自分の学びたいことを考えた・調べた」と答えた高校生のほうが「ウェブサイトを調べた」と答えた高校生より13.9ポイントも高かった。

 在学中に「特に力を入れた」と思う活動全般で最も多い回答は「日頃の授業やテスト」。次いで「受験対策」「部活動・サークル活動」があがった。特に進路選択の満足度が高い学生と低い学生を比較すると最も差が開いたのは「受験対策(11.9pt差)」、次いで「探究活動(5.4pt差)」という結果となった。探究活動で課題解決の方法を探る中で、自分の興味がある分野を発見したことで、進路選択の満足度が高まったと考えられる。

 調査を担当したマイナビ進学総合研究所の青木湧作研究員は「今回初めて、進路選択の満足度が高い学生と低い学生でどのように回答傾向が異なるのかを分析・発表しました。満足度が高い学生は『学びに向き合うこと』や『探究活動』に力を入れており、改めてその重要性がうかがえました。また志望校選びでは『就職率』よりも『学べる内容』『取れる資格』が重要視されていることからも、不確実な時代において、高校時代に何を学び、大学で『何を学べるか・身につけることができるか』を考えている様子が浮かび上がってきたと言えます」とコメントしている。

参考:【マイナビ進学総合研究所】高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査

大学ジャーナルオンライン編集部

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