障害者の受験を認める大学がすべての障害種別で減少していることが、全国障害学生支援センターの調査で明らかになった。調査は2023年7~12月に全国の大学810校、大学校10校を対象に実施。調査対象の47%から回答を得て、集計した。
全国障害学生支援センターによると、前回(2022年)の調査では障害学生が在籍する大学は299校。在籍者の総数が1万4,000人を超え、障害学生が在籍する1大学あたりの障害学生の数が、平均47.2人。今回(2023年)は障害学生が在籍する大学は307校。在籍者の総数が1万5,000人を超え、1大学あたりの障害学生数は平均51.7人に増えている。
今回の調査で入学試験の受験を認めているのは、視覚障害が43%、聴覚障害が45%、肢体障害が48%、発達障害が49%、精神障害が46%、内部障害が46%、知的障害が36%だった。
2017年の調査に比べ、視覚障害が4ポイント、聴覚障害が10ポイント、肢体障害が9ポイント、発達障害が15ポイント、精神障害が15ポイント、内部障害が8ポイント、知的障害が13ポイント低下し、年々低下傾向が続いている。
増えているのは対応未定とする大学で、7つの障害種別すべてで50%以上を占めた。その中で圧倒的に多い理由が「事前協議後に検討する」というもので、各障害種別の対応未定理由の48~59%に達している。
事前協議は受験を認めるかどうか決まっていない段階で行われ、入試時や入学後に大学がどこまで配慮できるか検討するもので、対応が難しいと大学側が判断すれば受験を認めない。合格しても受け入れられないとする回答は、視覚障害で4校、聴覚障害、肢体障害、発達障害で各2校だった。
参考:【全国障害学生支援センター】「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2023」結果(受験編概要)について(PDF)