2024年6月18日、Springer Nature社は、学術論文の発表数などをもとに世界の大学や研究機関をランキングした「Nature Index Research Leaders 2024」(以前の名称:Nature Index Annual Tables)を発表した。
「Nature Index Research Leaders 2024」は独立した研究者グループが選んだ145の自然科学分野と健康科学分野のジャーナルから、2023年に出版された75,707報をもとに作成しており、ランキングは論文数だけではなく、特定の拠点の著者による貢献度を測る指標(Share)、論文総数の年間変動を考慮して調整したパーセンテージ変化の指標(Adjusted Share)を踏まえて決められる。
2024年版の国・地域別ランキングにおいて、2023年に総合首位となった中国が引き続き1位を獲得。2位アメリカ、3位ドイツ、4位イギリス、5位が日本。続いて、6位フランス、7位カナダ、8位韓国、9位インド、10位スイスとなっている。
これらのトップ10のうち、2022年から2023年にかけてのAdjusted Shareの増減を見ると、増えているのは1位の中国(13.6%増)と9位のインド(14.5%増)だけで、その他はイギリス8.2%減、アメリカ7.1%減、ドイツ6.8%減など軒並み大きく減少している。5位の日本も1.7%減少しているが、欧米諸国や日本が2017年から2022年にかけて記録した約20%のShareの急落に比べるとゆるやかな減少といえる。
研究機関別のランキングにおいて、全体機関のトップ10に入った機関のうち、2位の米ハーバード大学、3位の独マックス・プランク学術振興協会、6位フランス国立科学研究センター以外は全て中国の大学および研究機関が占めている。また、これらの10機関のうちAdjusted Shareが増加したのも中国だけだった。
トップ100にランクインした日本の研究機関は、19位の東京大学(2023年:20位)、47位の京都大学(2023年:43位)、69位の大阪大学(2023年:78位)の3校。2023年に99位だった東北大学は104位だった。これらのAdjusted Shareは大阪大学が8.7%増加し、京都大学が6.9%減少、東京大学も3.2%減少した。
参考:【シュプリンガーネイチャー】2024年版Nature Index発表:アジアの研究機関が大きく躍進し、欧米の研究優位性が着実に低下していることが明らかに