全国7カ所で介護付き有料老人ホームを運営する日本老人福祉財団は京都市の京都光華女子大学と連携し、福祉人材を育成するための給付型奨学金の創設を決めた。奨学金の申請受付は7月から始まっている。
日本老人福祉財団によると、奨学金の対象となるのは京都光華女子大学看護福祉リハビリテーション学部・福祉リハビリテーション学科・社会福祉専攻の1年生、または健康科学部・医療福祉学科・社会福祉専攻の2年生、3年生。卒業時に社会福祉士、卒業後に介護福祉士の合格を目指すことが条件になる。
受給申し込みは既に始まっており、書類や面接での審査を経て採用が決まった学生には、卒業までの期間(最長42カ月)、前期・後期にそれぞれ35万円の奨学金が給付される。経済的に進学が困難な学生にも教育の機会を与えるため、返済不要の給付型にしている。多くの奨学金で見られる卒業後の就職も前提にしていない。
日本老人福祉財団は千葉県佐倉市や神奈川県湯河原町、京都府宇治市、神戸市北区などで介護付き有料老人ホーム〈ゆうゆうの里〉を運営している。日本社会の高齢化が急速に進む一方で、介護福祉を目指す学生の減少、社会福祉に関する学部や学科の減少を目の当たりにし、管理栄養士実習で協力関係にある京都光華女子大学と連携して新しい奨学金の導入を決めた。
参考:【日本老人福祉財団】日本老人福祉財団、京都光華女子大学とともに給付型奨学金制度を設立~福祉人材の育成を通じた地域福祉の増進・充実、ならびに教育機会の均等化に寄与~(PDF)