産業能率大学 総合研究所は、毎年恒例の「新入社員の会社生活調査」の 2024年度の結果を発表した。2024年に就職した新入社員を対象に、働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などを尋ねた調査で1990年度から継続して実施しており、今回で35回目となる。(有効回答563人)

 2024年度の「会社生活調査」では、近年話題となっている「生成AI」の活用について、新たに質問を設定し、新入社員に尋ねている。「これからの仕事において生成AIをどのように活用したいか」という質問に対して、「必要に応じて活用を検討する」と回答した臨機応変派が40.5%、「業務のサポートとして活用したい」と回答した実務派が30.6%、「積極的に活用して効率化や新しい価値を生み出したい」と回答した積極派が15.6%だった。これら3つの選択肢を合わせると、86.7%が生成AIを仕事で活用する意向を持っていることが分かった。一方、「特に活用する意向はない」と回答したのは13.3%にとどまった。Z世代と呼ばれる2024年度の新入社員にとって、これからの時代、生成AIはますます身近な存在となりそうだ。

 仕事でストレスを感じる状況について尋ねたところ、「仕事のミスや目標達成が難しく、自分の能力不足を感じるとき」が67.3%、「上司や同僚、顧客との関係でトラブルがあり、人間関係が原因で悩むとき」が52.8%と半数を超えた。この結果から、仕事がうまくいかないときなどの「能力不足」や「人間関係」にストレスを感じることが分かる。さらに「仕事量の多さや難易度の高い任務に直面し、自分一人では対応できないと感じるとき」が36.1%と続き、また、「仕事の進め方での迷い(23.1%)」「能力や成果が適切に評価されない(19.2%)」なども挙げられており、新入社員にとってのストレス要因は多岐にわたることが分かる。

 働くうえで上司や先輩に期待することでは、「実践前にやり方や手順などを細かく教えてくれること」が62.3%で最も多く、次いで「誰に対しても平等に接してくれること」が57.2%、「良い仕事ぶりに対して誉めてくれること」が54.7%、「率直かつ建設的なフィードバックを提供してくれること」が52.0%と続いた。

 その他、2024年度の「会社生活調査」の選択肢で“過去最高”を記録した回答をピックアップすると、就職 活動の結果に「たいへん満足」59.0%で昨年度比3.6ポイント増、いつまで会社勤めをしたいかは「65歳」が32.7%で同4.5ポイント増、人事制度は「年功序列を望む」が48.5%で同7.6ポイント増、35歳時点の理想の年収は「約757万円」で同約30万円増となった。

参考:【産業能率大学 総合研究所】2024年度 新入社員の会社生活調査(第35回)

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