産業能率大学総合研究所は、2020年度に社会人となった新入社員を対象にアンケートを行い、テレワーク制度・時差出勤の利用や学習意欲、許容できる残業時間など調査した。同調査は1990年度から実施しており、今回で31回目。

 調査は例年対面型セミナーで行ってきたが、2020年度は、新型コロナウイルス感染防止のためにオンラインセミナーで実施。そのため2019年の回答数429名から大幅に減少し、79名となっている。

 アンケートでは、働き方改革として注目されるテレワーク、時差出勤、副業などを制度として認める動きが拡大する中、これらの制度があった場合の利用意向を尋ねた。その結果、テレワーク制度があれば「利用したい」が60.8%となり、2019年度と比べると25.6ポイント増と大幅に増えた。さらに「どちらかといえば利用したい」の24.1%と合わせると84.9%が“利用したい”と回答している。

 時差出勤についても75.9%が「利用したい」と答え、2019年度に比べて22.1ポイント増となった。さらに「どちらかといえば利用したい」と合わせると93.6%が利用を希望する結果に。2020年度は特に新型コロナウイルス感染拡大の防止策としてテレワークや時差出勤が広がり、それらに対する新入社員の関心が高まったことがうかがえる。

 業務時間外でセミナーや通信教育、学校、自習などの勉強をしたいか尋ねると、「費用は全額自己負担でも勉強したい」が20.5%で、前年度と比べ6.9ポイント増。また、「会社から費用の一部援助があれば勉強したい」も38.5%で、5.8ポイント増えた。両者を合わせると、自己負担してでも“勉強したい”とする新入社員は59.0%(前年度比+12.7ポイント)で、学びに対する積極的な姿勢が強まっている。

 また、1か月間にどの程度の残業時間なら許容できるかについては、「11~20時間」が過去最高の32.1%(前年度比+4.6ポイント)、「1~10時間」が同じく過去最高の19.2%(前年比+0.9ポイント)となり、その結果、「0時間」(1.3%)と合わせ、20時間までの残業なら許容できるとする新入社員が52.6%と半数を超えた。働き方改革が唱えられる中、できれば残業を避けたいという意識が強くなっていることがわかる。

参考:【産業能率大学】2020年度新入社員の会社生活調査の結果を発表

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