国立長寿医療研究センター、大正製薬、北翔大学大学院生涯スポーツ学研究科の小坂井留美教授の研究グループは、食事によるタウリン摂取量が多いほど脚の筋力が維持される傾向があることを突き止めた。

 国立長寿医療研究センターによると、研究グループは愛知県大府市、東浦町の40歳以上を対象に実施した老化に関する長期縦断疫学研究のデータから、2002~2004年に行われた第3次調査と2010~2012年の第7次調査に参加した1,454人を対象に、タウリン摂取量と体力測定結果の変化を調べた。

 その結果、40~64歳では食事からのタウリン摂取量が多いほど膝伸展筋力が増加する傾向にあることが分かった。65歳以上ではタウリン摂取量に関係なく、筋力の低下が見られたが、タウリン摂取量が多いほど膝伸展筋力の減少幅が小さいことも明らかになった。研究グループはタウリン摂取で脚の筋力が維持、強化されるとみている。

 タウリンは筋肉や脳、神経、目などの働きをサポートする栄養素。肉や魚介類、卵などから摂取でき、ホタテ貝やタコ、イカに豊富に含まれている。人間の体重の0.1%を占め、マウスやサルなど哺乳類による実験ではタウリン摂取が健康寿命を延ばすとする報告も出ている。しかし、食事由来のタウリンと人間の体力の関係を調べたデータはなかった。

論文情報:【Frontiers in Nutrition】Association of taurine intake with changes in physical fitness among community-dwelling middle-aged and older Japanese adults: an 8-year longitudinal study

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