山形県酒田市などにキャンパスを置く公設民営の東北公益文科大学が公立化に向けて、学校法人東北公益文科大学と山形県と酒田市など2市3町が山形県庁で基本合意書を締結した。山形県などは2026年4月をめどに公立大学法人を設立し、国からの認可などを経て、公立大学への移行を目指す。

 東北公益文科大学によると、締結式には吉村美栄子山形県知事、矢口明子酒田市長、皆川治鶴岡市長、松永裕美遊佐町長、阿部誠三川町長、富樫透庄内町長と東北公益文科大学の新田嘉一理事長が出席、基本合意書に署名した。

 山形県と酒田市など庄内地方の2市3町で組織する庄内広域行政組合が共同して公立大学法人を設立する。その前段階として2024年10月をめどに準備組織を設置する。

 設立団体が交付される運営費交付金については、国から地方財政措置として交付される額を上回る部分について、山形県が55%、2市3町が45%の割合で負担し、2市3町の負担割合は酒田市59.8%、鶴岡市30.1%、庄内町4.1%、遊佐町3.4%、三川町2.6%とする。

 東北公益文科大学は2001年、庄内地方にある当時の14市町村が設置費用を拠出して創設した。設置された学部、研究科は国内唯一の公益学部、大学院公益学研究科で、キャンパスは学部が酒田市、大学院が鶴岡市にあり、約900人の学生が学んでいる。

 公益学部は入学定員235人に対し、2023年度の入学生は204人、2024年度の入学生は181人と定員未充足が続いている。庄内地方の人口は急激に減少しており、地元経済団体が経営安定化のため、早期の公立化が必要と要望していた。

 なお、2025年4月、公益学部に国際コミュニケーション学科を、2026年4月からは国際系学部を設置構想中。

参考:【東北公益文科大学】本学の公立化及び機能強化に関する基本合意書が取り交わされました
公益学部への国際コミュニケーション学科新設(1学部2学科制)から新たな国際系学部の設置(2学部制)への移行について
【鶴岡市】東北公益文科大学の公立化の検討状況について(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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