OpenWork 働きがい研究所は「新卒入社の若手社員がおすすめする企業ランキング」を公表した。企業の社員・元社員から情報を収集しているWEBサイト「OpenWork」に投稿された、2020年以降に新卒入社した社員・元社員による会社評価レポート48,201件を集計した。

 就職みらい研究所による就職プロセス調査(2025年卒)によると、8月時点で内定を取得している学生の内定取得企業数の平均は2.28社、複数社から内定を得ている学生の割合は6割以上にのぼる。選考の早期化も相まって2025年卒の大学生の就職内定率は91.2%と、新卒採用では人手不足を背景に「売り手市場」が続いている。就職活動が終盤を迎える今、複数の内定先企業の中から「何を決め手に就職先企業を選ぶか」は多くの学生が抱える課題だ。

 そこでOpenWork 働きがい研究所では、新卒入社した若手社員がおすすめする企業を調査。「あなたはこの企業に就職・転職することを親しい友人や家族にどの程度すすめたいか」という質問に0~10点で回答するネットプロモータースコア(NPS)を、2020年以降に新卒入社した社員に限定して集計し、ランキングを作成した。

 その結果「新卒入社の若手社員がおすすめする企業ランキング」トップ5は、第1位電通総研(おすすめ度8.50)、2位中外製薬(おすすめ度8.45)、3位住友商事(おすすめ度8.44)、4位三井物産(おすすめ度8.43)、5位はソニー(おすすめ度8.16)だった。

 2020年以降に新卒入社した若手社員が「おすすめできる」と評価した企業にはどのような共通点があるのか。ランクインしたTOP30社におけるOpenWorkの8項目評価を見ていくと、「風通しの良さ」スコアの平均は5点満点中4.10点と非常に高く、またチームワークの指標でもある「社員の相互尊重」スコアも平均3.91点という高評価となった。各社の社員クチコミからは、入社年次に関わらず意見を言いやすいフラットな環境を評価する声が多く見られた。

 また、TOP30社の「待遇面の満足度」スコアも平均3.98点と、「風通しの良さ」に次ぐ高評価となった。就職先を決定する際に重要視するポイントとして上位に挙がる「給与・年収」だが、社員クチコミを見ていくと、給与以外にも家賃補助や資格取得の補助といった手当の充実など、福利厚生も含めた待遇面を評価する声が見られた。年収の額面のみで会社を比較するのではなく、社員クチコミから具体的な待遇をイメージすることも、就職後のギャップを生まないために重要と言える。

 このほか、ワークライフバランスも企業選びの軸として年々重要性を増している。「仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」ことを支持する大学生は9割近く(就職みらい研究所「大学生・大学院生の働きたい組織の特徴 2024 年卒」より)となっており、多くの企業で働きやすい環境づくりや、自由な働き方を取り入れる試みがなされている。ランクイン企業の社員クチコミでも、ワークライフバランスを評価する声が多くみられ、企業を選ぶ際に、残業の程度や有休の取りやすさ、働き方の制度がどのように運用されているかといった実態を「実際に働く先輩の声」から把握することはミスマッチを回避するためにも非常に有効と言える。

参考:【オープンワーク株式会社】新卒入社の若手社員がおすすめする企業ランキング(vol. 125)

大学ジャーナルオンライン編集部

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