プロサッカーJリーグクラブの企業価値を欧州のフットボールクラブ価値算定モデルで推計したところ、実際の取引額を上回ることが、東京大学先端科学技術研究センターの小泉秀樹教授、木村正明特任教授らの研究で分かった。売上高の割に選手の価値が低く見積もられている一面もあった。
東京大学先端科学技術研究センターによると、プロスポーツクラブの価値は日本だと株式額面と純資産で評価されることが多いが、欧州では売上高の乗数をベースに評価され、驚くほどの高額で売買されることもある。
研究グループは実際の取引額を重回帰分析し、妥当性の高い複数の算定式を見出したうえで、売上高を説明変数に含む算定式(モデル1)と選手価値を説明変数に含む算定式(モデル2)をJリーグクラブに当てはめ、企業価値を推計した。
その結果、最も企業価値が高く出た浦和レッズでモデル1なら242億円、モデル2なら61億円、2019年に日本製鉄がメルカリに16億円で売却した鹿島アントラーズでモデル1なら183億円、モデル2なら46億円の価値があるとの結果が出た。
欧州方式で評価すれば実際の取引額を大きく上回る企業価値があるわけだが、欧州のクラブに比べて売上高の割に選手の価値が低く見積もられている一面も見つかった。