全国の国公私立大学の85%が「メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている」と感じていることが、河合塾グループのKEIアドバンスによる学長アンケートで分かった。社会を挙げた効果的な対応策や支援制度の整備が必要となりそうだ。

 河合塾によると、調査は国の学校基本調査の対象となった大学、大学院大学812校の学長を対象に2023年12月から2024年1月に実施、うち370校の学長から回答を得て集計した。

 その結果、「メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている」と答えた学長が全体の85%に当たる316人に上った。各大学の対応では、「メンタルヘルスの状況を把握できていない」が55校、「メンタルヘルスをケアする部局がない」が33校、「学生のメンタルヘルスを把握し、ケアする専門スタッフがいない」が27校あった。

 各大学の対応に関する質問は複数回答であるため、複数の問題があるとした大学を整理したところ、対応が不完全とした大学の数は89校だった。「メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている」と答えた大学のうち、227校はメンタルヘルスケアの体制を構築しているのに、問題を抱える学生が増えているとみなすことができる。

 社会が急激に変化する中、学生の悩みの原因が多様化している。KEIアドバンスは大学だけでなく、社会全体でこの問題に取り組む必要があるとみている。

参考:【株式会社KEIアドバンス】「85%の大学が『メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている』と回答」河合塾グループKEIアドバンス 全国370大学の学長アンケートを公開

大学ジャーナルオンライン編集部

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