株式会社マイナビが運営する従業員向け健康支援サービス『welltowa(ウェルトワ)』は、企業向けの「生理痛体験研修」の提供を10月1日より開始した。
厚生労働省「女性の労働力人口と年齢階級別労働力率」によると25~29歳で労働している女性の割合は88.2%、30~34歳では82.6%、35~39歳では80.1%。年齢を重ねるごとに女性が離職し、労働力の減少を防げていない状況となっている。
働く女性の離職・昇進辞退の理由のひとつに、周産期や女性特有の健康課題が挙げられ、マイナビが行った 「企業と従業員の健康課題への認識に関する調査」では、女性特有の健康課題に悩む女性が抱える症状として、「PMS(月経前症候群)」、「月経」が上位に。これらの症状に対処するため、婦人科を受診したり、ピルを服用してコントロールする女性もいるが、個人差がある。また、女性が健康課題を抱えながらキャリアを築くために必要なサポートは、「受診や休暇が取りやすい制度設計」「上司や部署内のサポート」「業務分担や人員配置の考慮」などが挙がっており、職場での女性活躍推進を目指す中で、職場環境の改善には、生理を含む女性の健康問題に対する周囲の理解が不可欠といえる。
そこで、マイナビは、働く女性が直面する課題を企業の人事担当者や管理職が体感し、職場の理解とサポート体制を強化することを目的に「生理痛体験研修」サービスを開発した。
研修では、生理が起こるメカニズムや生理痛の基本知識を学ぶセミナーに続いて、生理痛VR体験デバイス「ピリオノイド」を装着し、生理痛を体験する。体験を通じて、感じたこと、行動変容したいことをグループで話し合うワークショップを行い、すべての従業員が働きやすい風土や環境の改善のきっかけづくりを目指す。
生理痛VR体験デバイス「ピリオノイド」は、甲南大学と奈良女子大学における月経痛再現の可能性と効果を検証する研究の中で開発され、大阪ヒートクール株式会社にて刺激のノウハウや回路技術を組み合わせて製品・サービス化された。
体験者からは「正直、最初はどんなものか想像もつかず、どこか他人事のように感じていました。実際に体験してみて、特に集中力が削がれるほどの痛みがあるときは業務にも大きな影響を及ぼすことを実感しました。女性従業員へのサポート体制を見直す必要性を強く感じました(40代男性・管理職)」「私は普段から生理痛が重く、この装置ではほぼ痛みを感じませんでしたが、毎月起こる痛みを男性や生理痛が軽い女性に知っていただくよい機会になりました(20代女性・一般職)」といった声が聞かれた。