鹿児島大学大学院医歯学総合研究科と南日本放送は、昨冬に続いて今冬も鹿児島大学法医学分野のホームページや南日本放送のテレビ、ラジオ放送で入浴時警戒警報の発令を始めた。入浴時の寒暖の極端な差が血圧の乱高下を引き起こし、死を招くことがあるためで、2025年2月末まで続ける。

 鹿児島大学によると、入浴時警戒警報は鹿児島県内を鹿児島、鹿屋、屋久島、名瀬、徳之島など15地区に分け、入浴死が発生する可能性を「注意」「警戒」「危険」の3ランクに分けて毎日、情報発信している。判定にはその日の予想最高気温と最低気温、平均気温、最高気温と最低気温の差などを用いる。

 入浴死は暖かい部屋から寒い脱衣所、熱い浴槽内と移動することで血圧が乱高下し、脳卒中や虚血性心疾患、致死性不整脈を引き起こして死亡したり、意識を消失したまま水没して溺死したりすることを指す。

 熱い浴槽につかる日本人は諸外国に比べて入浴死が多いが、鹿児島県は国内で発生率が高い傾向にあり、入浴死者数が交通事故死者の2.8倍以上と推計されている。鹿児島大学は2006~2019年に鹿児島県内で発生した入浴死の検視結果のうち、死亡日が特定できた約2,200例を調査し、入浴死が発生しやすい気温を特定した。

 鹿児島大学は入浴死が予防できる死だとして、入浴時警戒警報を毎日チェックして入浴死が発生しやすい日の入浴を控えることで入浴死者を大幅に減らせるとみている。

参考:【鹿児島大学】医歯研2024年度入浴時警戒情報を発令!

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