国立科学博物館、国立極地研究所、九州大学は、昨年愛知県小牧市に落下した隕石を分析し、分類を「L6普通コンドライト」と確定。国際隕石学会に「小牧隕石(Komaki)」として登録された。

 2018年9月26日(水)22時30分頃、愛知県小牧市の民家に隕石が落下。庭などに散らばった黒い破片を国立科学博物館がガンマ線測定した結果、宇宙線により生成する放射性核種のアルミニウム-26、ナトリウム-22、マンガン-54などを検出。最近落下した隕石であると確認した。

 国立極地研究所にて主資料(重さ550g)から保存・分析用試料約20gを取り、その内の約1gの小片から研磨薄片を作成し、光学顕微鏡による組織観察と電子線マイクロアナライザによる鉱物組成の分析を行った。その結果、隕石は普通コンドライト(球粒隕石)に分類され、鉱物組成から化学的グループはLと判明。また、比較的粗粒(50μm以上)の斜長石が観察され、岩石学的タイプは6であった。この組み合わせは「L6コンドライト」と呼ばれ、最多のコンドライトグループという。

 九州大学で少量(0.05g)の試料から希ガスを分析。アルゴンの分析から、形成された年代は、太陽系が生じた約46億年前の直後と判明。また、ネオンの分析から宇宙線照射年代(隕石が元の天体から別れて小さなかけらとなった期間)が約2510万年で、多くのLコンドライトと同程度の2000~3000万年の照射年代だった。この時期にLコンドライトの元の天体が衝突で壊れて小さなかけらが多数できたとみられるという。

 分析結果を添え、隕石の名称を落下地の小牧市にちなんだ「小牧隕石(Komaki)」として国際隕石学会へ登録申請を行った。学会の命名委員会で審査・投票が行われ、2 月 15 日に承認・登録された。

参考:【九州大学】愛知県小牧市に落下した隕石の分類を確定し「小牧隕石」として国際隕石学会に登録されました(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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